一日一ぽち
2006-05-24 (Wed)
『竹中半兵衛と黒田官兵衛〜秀吉に天下を取らせた二人の軍師』島津 義忠
豊臣秀吉の天下統一、この偉業は「二兵衛」と呼ばれた名軍師――竹中半兵衛重治と黒田官兵衛孝高を抜きにして語れない。置かれた環境は異なり、性格も正反対であったにもかかわらず、互いの才を認め合い、相手を信頼し合って、秀吉の天下取りを補佐した半兵衛と官兵衛。二人がともに抱き続けた志、友情とはいかなるものだったのか。不世出の軍師二人の鮮烈な人生を描いた力作長編小説。
所謂「二兵衛」を描いた物語。半兵衛の稲葉山城乗っ取りから始まって 官兵衛の死で括られている。二兵衛は二章目から直に交誼を通じているが 物語の前半を半兵衛 後半を官兵衛が担うかたちである。
全体に「大雑把な伝記物」という印象が残らないでもない。合戦や調略戦に詳しい訳でも 主:秀吉との一筋縄ではゆかない関係に重点を置くのでもない。その一方で 他の二兵衛モノにては採り上げられていないエピソードが多く収められてあるから 特定の細部に頁を費やす分 全体としては「端折った」ように映るのかも知れない。
要するに 筆者が書き留めておきたかったのは 二兵衛それぞれの “人となり” なのだろうと想われる。
読み進める僕にとっては “官兵衛の半兵衛への思い” が この作品の最も太い柱であった。半兵衛の方は相変わらず飄々と在るが 官兵衛の彼を慕う気持ちは微笑ましい限りである。訓えを請うというよりは兄の前の弟の如く もっと純粋で素直な眼差しで居る。もしも半兵衛が永く在ったなら 半兵衛が言う処の 官兵衛の「危うさ」は 半兵衛の示唆を受けた官兵衛自身によって巧く隠され 後の失敗も未然に防がれたかも知れない。秀吉の疑心暗鬼は それでも止まなかっただろうけれど……。



















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