2007-06-10 (Sun)
大河ドラマ『風林火山』:第23回 「河越夜戦」 (6月10日放送分)
大河ドラマ「風林火山」 北条氏康(松井誠)は武蔵国で苦境に陥っていた。要衝・河越城を関東管領・上杉憲政(市川左團次)の大軍に包囲され敗色濃厚、このままでは三代に亘って築いた関東での覇権を失い、さらには滅亡さえ間近に迫っていた。
勘助(内野聖陽)は僅かな兵を率い北条の援軍として河越に向かった。勘助の真の狙いは上杉家に仕える真田幸隆(佐々木蔵之介)と会い、武田へ仕えるよう説得することにあった。信濃攻略には真田の力が不可欠と見ていたのだ。
浪人に変装し上杉の本陣に潜入する勘助。そこで見た上杉軍は勝利を確信し油断しきっていた。新興の北条に次々領地を奪われた憲政だったが今度こそ勝てるとみてのんびり包囲を続けていた。氏康から託された伝言を籠城する北条勢に伝えることに成功した勘助は、幸隆との再会を果たす。しかし幸隆にとって武田は仇であり、勘助の説得はうまくいかない。
一方、氏康はついに夜襲をかけ、一気に上杉軍を討つことを決意する。油断していた上杉軍は思わぬ夜襲に大混乱、名のある武将を次々と討たれ、憲政は命からがら脱出する。改めて北条の強さを再確認する勘助だったが、そんな乱戦の中、新兵器・鉄砲が突如、勘助に向かって火を噴いた。(公式サイトより引用)
評価:

祝・幸隆公 久々の出突っ張り 
今週は上州色濃厚な内容にて 眞田見たさに『風林火山』してる向きには まず満足のゆく放送だったのでは。
最早実権だけでなく名の失墜も決定した上杉関東管領家をあくまで頼みとするか (ここまでの処)周辺勢力中実力随一の駿河勢・新進気鋭の相模勢と結ぶ武田家へ味方するか 決断を迫られた幸隆公も苦しい処である。聞けば確かに勘助の「武田に力を貸して欲しい」という懇願は 武田家を仇敵とする眞田家には御門違いに響くけれども 「旧領復帰には其れが最善/最短の途」というのも 其れを悲願と掲げる眞田家には認めざるを得ない現実だろう。其処で幸隆公がどのような哲学から武田臣従を決断するに至ったか (未熟な僕の知る限り)史実には語られていない。空想を膨らませるしか当時の公の心境に近づく術は無いのだけれど 現状を目の当たりにして立ち尽くす佐々木クン扮する幸隆公を観ながら浮かんだのは 大河『武田信玄』にて 橋爪功氏扮する処の幸隆公が 敵方に降伏を説く一場面である。曰く「死ぬは一時の意地 生きるは一生の意地に御座る」。此の 旧領復帰と一族再興に懸ける執念が 眼前の矛盾をねじ伏せて公を御屋形様の傘下へ奔らせたのではないか。執念深さこそは また一つの眞田の血筋と言っても佳かろう。蟄居先での老境に在っても 大坂城の図面を前に 其処で指揮を執り天下に一泡吹かせてやりたいと渇望した昌幸公然り 勝利など最早有り得ぬと知りつつ 大御所の御首一つ目指して突撃を繰り返した信繁公然り そして 数多の掛け替えないものを手放してでも 家名存続に一生を捧げた信幸公然り――苦慮の末に武田臣従を決断した時の幸隆公が観たなら 何れも力一杯抱きしめて労ってやりたき子孫だろうと想う。
さて 幸隆公と共に今夜は出番の多かった長野殿であるが 第一印象は悪くなかったけれども よくよく眺めるとやはり風格が少し足りないように映る。関東管領に一々諫言するのも 一々取り下げられて当然のような眺めにて……(汗)。因みに我が母者には上州の雄:長野殿に関する知識など当然皆無であるから 掻い摘んで讃えた後 どのように観えたか訊ねると やはりそれほど実力も地位もあるような家臣とは見受けられなかったと言う。長野殿は 例えば権力は村上義清に及ばずとも 一武将としての資質では彼の信濃の雄を上回ると僕は評価している。そこから言えば 少なくとも義清役の永島クンより見映えのする役者を立てて欲しい処だ。知人のブログにて けれどあの配役は現存する長野殿の肖像画に雰囲気がそっくりだという話も聴いたが 先ず一般視聴者に長野殿の勇名は(誠に残念ながら)届いて居ないと考えるならば 一目で「只者ではない重臣が提言してるのに胡座をかいてるだけかよ>関東管領」と想わせる創りを望みたかった。
ところで 今夜の檜舞台:河越城には「地黄八幡」の旗が棚引き 個人的お気に入りの北条綱成殿の勇姿も共に拝めたのであるが さて 「福島彦十郎=北条綱成」だとばかり思っていた僕のアタマは 綱成傘下に彦十郎が居て大混乱:「えっ 綱成が二人?!」(しかも彦十郎が勘助を狙撃するというブッ飛んだ発想/主人公が死んだフリで次週へ繋ぐという今年の大河得意の展開(笑))。武蔵人として 徳川ではなく北条が本来の領主様と仰いで居る割には まだまだ勉強が足りないようで(汗)。ま 福島家には 豊臣家臣:福島正則を縁者とするという説なども出回っているようだから 実際 現代の解釈は未だ蒙昧としているのかも知れないケド。
でもきっと世間一般は本編より 予告に登場したGackt謙信にメロメロなんでしょう(笑。公式サイトの表紙までがいつのまにか……(唖然))。僕は宣伝番組等 本放送以外の映像は一切観ないので 彼には初めてお目に掛かりました。第一印象は「なんでそんなに歯噛みしてるんだよ」(笑)。確かに美麗かも知れませんが 例えば眉を顰めたり口元を歪めたり……という表情創りは “演技” の範疇には入らない 要するに技量の無い輩のする手段である という持論があるので 「役者としては期待出来そうにないなぁ」というカンジです。そもそも この作品に於いては上杉謙信の重要性というのは極低くて 武田・上杉両軍が犀川を挟んで対峙した第二次川中島合戦辺りと 第四次合戦での謙信の 不自然且つ無意味な武田本陣単騎突入(つまり最終回)が描かれれば充分 という処。台詞も無くたってよいくらいですが 上杉陣営の宇佐美定満殿役に緒形拳さんを招く(!)という話なので 越後の情勢をついでに描いて時間稼ぎする算段なのでしょうね。謙信時代の上杉家は 僕にとって敵で在るばかりなのであまり興味もそそられないけど 何れにせよ幼少の頃から老け好み(笑)だから NHKと世間と謙信役の思惑を他所に 拳さんの定満殿に釘付けだろうと想われます(再笑)。
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