一日一ぽち
2006-05-20 (Sat)
『竹中半兵衛』高橋 和島
竹中半兵衛の存在なくして秀吉の天下への道は拓けなかった。近江の国境に近い西美濃の土豪に過ぎなかった半兵衛は齋藤龍興の居城稲葉山城をわずか16人で奪取。その鮮やかな戦略は瞬く間に隣国に伝わるが、半兵衛は稲葉山城を捨て隠遁し奇人ぶりをも世に示した。軍師として迎えたいと浅井長政からも誘われるが、主に選んだのは城持ちにもなっていない木下籐吉郎だった。この出会いこそが時代の流れを変えた。戦国を駆け抜けた軍師の魅力に迫る。
僕の初めて触れる “半兵衛重治モノ” 故 比較も批評ももたずに読み進めた。
後日になってみると この本が最も戦の攻防――と言うより 半兵衛重治の小細工――について 詳しく巧みな表現を用いている。史実に忠実か否かを知る由は僕には無いが 殊に稲葉山城乗っ取りの行は これならば城方の眼を美事に欺くことが叶っただろうと想わせるものがあった。
寄人となった後の信長とのやりとりにも 小気味良い “減らず口ぶり” が理路整然と発揮されている。後々ハッキリしてきたのだが 半兵衛重治モノを読む時 「信長との関係がどのように解釈されているか」というのが 僕にとっては結構重要なようだ。その点でこの作品は 極理想に近い:互いに決して心を許しては居ないが 互いの在りようを痛快には思って居る。世に安寧をもたらす為の手段は全く違うが 目指す処は同じであり 互いは各々の立場に応じた働きを成すことに専心して居て 相手の領分を侵すことを望んでは居ない――ぬるい かな(笑)。
僕の所有する内では この一冊のみが半兵衛重治の死因を胃に求めており 又 女性との関わりが最も多いのもこの作品であることから コンパクトに纏まりつつも強く印象に残ることとなった。



















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